大統領執事の涙

 

 アマゾンプライムに入っていたので見ました。

グレイテストショーマン見てから、アメリカの差別問題が気になっていたのでちょうどよかった。幼少時代の奴隷生活からホワイトハウスの執事になり、7人の大統領に仕えてきた黒人男性セシルの物語。

セシルが執事をしている間の大統領それぞれの人種差別問題の向き合い方。そして、セシルの家族、妻、長男、次男の生活の変化。とても引き込まれた。

セシルは仕事が大好きで、執事という仕事に誇りを持っている。でもそれは白人に仕えてるので、クソ白人!と思っている長男はお父さんの仕事が気に入らない。大学に進学後はキング牧師とともに黒人の人権運動を熱心に行いはじめ、キング牧師死後だんだんと過激になっていく。

次男くんはそんな長男の姿を見て、国のために戦う選択肢もある!ベトナムに行く!とベトナム戦争に志願し、戦死していまう。

妻は仕事で家を空けることが多い夫に頼りたくても頼れず、酒に溺れる。

セシルは大統領におつかえし、完璧に仕事をこなすというやり方で、大統領の信頼を得ていく。「世の中をよくするために、白人に仕える」その姿勢に影響をうける大統領もいたはず。ケネディ大統領はセシルの息子がデモ運動をしていることを知っていて、さらにその運動に心を動かされる。暗殺後、セシルはケネディ大統領夫人から遺品のネクタイをもらう。それだけの信頼関係ができるまで、セシルは大統領に尽くしてきた。完璧に。

父親が白人に仕える仕事をしていることが許せない長男にキング牧師が言った言葉「執事は、威厳ある態度で人種間の憎しみを溶かす素晴らしい仕事だ」。とても印象的でした。

 

正直アメリカの差別問題って全然知らなくて、肌の色が違うだけでトイレもレストランの席も分けられている。肌の色が違う、ただそれだけで。無知な自分にがっかりしたけど、この映画で知ることができて本当によかった。オバマ大統領が当選したとき、へーすごいなーくらいにしか思っていなかったけど、この映画を見たらオバマさんが大統領になれたってとんでもなくすごくて、素晴らしいことなんだ!とわかることができた。

セシルの奥さんは酒に溺れてしまうけど、家族愛が素敵だった。子供への愛、そしてセシルへの愛。今までの不満な、不安な気持ちを酒ではなくミシンでものを作ることで発散するようになる。確かに気持ちが不安定のときって、手を動かすと落ち着くよね。おばさんわかるよ。息子二人がなによりも大切なのに、長男がセシルに暴言を吐いた時思いっきりぶっ叩いてた。すごい。私はできるかな…と思いながら見てた。

 

主演のフォレスト・ウィテカーさん、マジですげぇ。たぶん30~80代を違和感なく演じきってた!俳優って本当すごいわー感動した。自分平和ボケしてるなーと思うたびに見たくなる映画。

あれ?映画の時代背景はもしかしてフォレストガンプと同時期かな?フォレストガンプでは描かれてなかった本当のアメリカが見れた気がする。